SATOXのシテオク日記

~ふもっふ、ふもふも~

キヤノンがSEDテレビの開発を中止

何か最近話題にならないなぁと感じていましたが、キヤノンが家庭用SEDテレビの開発を中止すると発表したんだそうな。
う〜ん、正直とても残念です。
SATOXとSED追っかけの歴史もかなり長いので感慨深いのです。
 
SEDというのは、日本語にすると「表面伝導型電子放出素子ディスプレイ」とというディスプレイの表示技術で、プラズマよりも点灯・消灯のレスポンスが速く、液晶よりも輝度が高いという性質を持つ、薄型でブラウン管品質であったため、液晶に変わる薄型ディスプレイの本命と言われていた時期もありました。
1999年からキヤノン東芝が共同開発始め、2008年の北京オリンピック商戦へ向け量産を目指していましたが、量産化、低コストの目処が立たちませんでした。
 
2007年1月、状況の悪化から共同で設立したSED社から東芝が友好的撤退。これはSED関連の技術特許を持つNano-Proprietary社がキヤノンに提供した技術を東芝にも使われることは不服とし訴訟を起こしたため。

■SED社から東芝撤退 - SATOXのシテオク日記

2007年2月、その問題でキヤノンは敗訴。キヤノン控訴

■キヤノンがSED特許問題で敗訴 - SATOXのシテオク日記

2007年5月、さらに前途の理由から量産化が進まず延期。

■SED、延期の発表 - SATOXのシテオク日記

2007年12月、特許問題を回避するためにNano-Proprietary社の技術を使わない技術を開発。

■キヤノン起死回生、独自SED - SATOXのシテオク日記

2008年9月、Nano-Proprietary社との訴訟でキヤノンが逆転勝訴。

■キヤノンがSED逆転勝訴 - SATOXのシテオク日記

2009年3月、さらに暗雲を感じさせたのが、ソニー陣営が開発を進めていたSEDと似た技術を利用したFED(電界放出ディスプレイ)の開発会社をソニーが売却。

■エフ・イー・テクノロジーズ売却へ - SATOXのシテオク日記

2010年5月、キヤノンSEDの事業化を断念。
そしていまココ。

キヤノンは25日、家庭用テレビの事業化に向けて研究開発を続けていたSED(Surface-Conduction Electron-emitter Display)について、テレビ向けとしては開発を中止する事を明らかにした。「量産技術の研究を進めていたが、価格下落が続く液晶テレビなどと比べ、コストダウンが難しい事が大きな理由」(広報部)だという。

SED社は今後も存続し、業務用向けに研究開発を続けるんだそうな。
有機EL(OLD)も芳しくないこの昨今ですが、液晶も日々進化しておりコスト的や3D対応などアドバンテージがあるのでその他の技術がなかなか育たない状況かもしれません。