SATOXのシテオク日記

~ふもっふ、ふもふも~

Androidらしさと独自性

先日、ET2009に行ってきまして、Androidの盛況っぷりについて肌に感じてきましたが、最近「Androidってなんなの?」と思うようになってきました。
個人的にも以前から興味があってエミュレータでプログラムを組んでみたりしていたし、会社でもAndroid機材を入手して、ソフトウェアの組み込みなんかをやっていたりするので、Androidに対する理解はそこそこあるかと思います。
でも、ここへ来て「Androidがよく分からなくなってしまった」と言うのが最近思うところです。
AndroidとはGoogle社が中心となって開発した(正確にはAndroid社を買収)、Linuxベースのオペレーションシステム(OS)。アプリケーション層にはJAVA VM(dalvik VM)が載せられており、ハードウェア構成を意識しないで開発可能なJAVAアプリケーション(ただし一般JAVAアプリは動作しない)を利用可能です。
さらに、OSのソースコードの多くは提供されており、現在はARM向けのコンパイラ込みで提供されていますが(Android NDK)、手間を掛ければ独自のCPUやGPUを持ったシステム上でAndroidを動かすことが出来ます。既に普通のIntel PCやMIPSなどのマシンで動作させている事例がありますね。

Androidとは何か?
改めて考えてみる。Androidとは何か?
日本の携帯電話のもったいないところは、アプリケーションが機種固有だったり、キャリア固有であることだと思います。これはキャリアの思惑があるかもしれませんが、アプリを開発する方にとってはたまったもんではありません。具体的にはドコモはDOJA、KDDIはKCP、ソフトバンクはJ2ME CLDC/MIDPとバラバラです。
この辺りの問題をメーカの垣根を越えた1つのプラットフォームで統一できるのがAndroidと言えると思います。
iPhoneの偉いところは、1社独占という最悪の面もあるもののハードの差異をiPhone OSで吸収している点が挙げられます。
Androidの活用性
iPhone OSはAppleにしか搭載されないとすると、Androidの活躍の場は多いに広がります。
すでにKDDIのセットトップボックスにAndroidが採用され動作していたり、Android搭載フォトフレームやAndroidカーナビもあるんだそうです。
ソースコードが公開されていますから、Android OSの恩恵を受けつつ独自のハードとソフトを付け加えるだけで、やりたいことが達成されるわけです。
簡単に言えば、パソコンにUSB接続で機能を追加したりしてますけども、その追加した機能ごと製品として販売できるわけです。
■独自性のデメリット
一方、Androidを好き勝手に改造して行ってしまうと、「Androidプラットフォーム」としての一貫性を損なうことになります。
これはかつての携帯のソフトウェアがSymbian OSなどで辿ってきた問題と全く同じだと言えるかと思います。
つまり、Android OSであれば動作すると思って作っていたアプリケーションが、独自に改良したシステムで動かなくなるのではないかという問題です。
以下の記事では、「日本メーカのAndroid対応は遅く独自性はないが、Androidに独自性を入れて投入している海外メーカはすごい」という結論なんですが、ある側面から観ると心配な話です。

このような海外メーカーに比べて,日本の大手メーカーのAndroidに対する取り組みは慎重というか,どちらかと言えば「遅い」ような気がします。
 例えば,携帯電話機では,シャープが2009年11月17日に開催した発表会で,「Androidを搭載した携帯電話機を2010年前半に投入する」と表明しました。Android搭載機の投入時期を明言したのは,国内メーカーとしては初めてのことです。

Windows Mobileの可能性
Androidプラットフォームとしての心配を解決してくれるOSがあるとすれば、Windows Mobile OSと言えるかもしれません。有料であるもののマイクロソフトがそれらの交通整理をしてくれるでしょうから、多くのアプリケーションとOSの互換性は保たれるのではないかと思います。
Androidに対して日本のメーカは「この辺り」に不安を感じて躊躇しているんじゃないでしょうか。少なくともSATOX自身はそこが心配です。
ドコモからは既にAndroid搭載HT-03Aが発売されていますが、少なくともキャリア内でのプラットフォームの囲い込みは必要なのかもしれません。このとき、「Apple AppStore」や「Windows Marketplace for Mobile」などのように、キャリア毎の「Android Market」が必要になってくるかもしれません。この辺りの交通整理をどうするのか?というのが不安でなりません。
もちろん、「Androidプラットフォーム」を脅かす好き勝手な物が出てこなければいいんですけどね。
■良さそうだけどダメ?抑止力と責任
これも、Android OSのソースコードはパテントフリーな構成になっており、利用する点で一切費用が掛からないというのも特徴かと思います。
これは一見良さそうなんですけども、実は問題を抱える場合があります。
例えばあるオープンソース
オープンソースがあるが故、ひどいバグがあっても誰かが修正しなければいけないという責任がありません。膨大なソースをよく考えて修正することもすぐには出来ず途方に暮れます。
Androidの場合、Google社やOHAがソースの改変権を持っているようですが、無償がであるが故、バグ報告をしたとしても修正される、もしくは修正をしなければ行けないという責任がひどく曖昧です。
一方、AppStoreのアプリ登録が大変な話は有名ですが、粗悪なアプリなどがひどい値段で売られたいわゆるアタリショックのような問題を未然に防げるという抑止力があります。
Android Market登録時にどのようなチェックがあるかは分かっていませんが、今後どうなっていくのかが心配です。
結論はまぁ「Androidが心配」という事になりますが、杞憂で終わると良いなぁと思っています。
自称iPhoneユーザですが、大きな意味でこのままAppleにボロ儲けされるのも日本としては問題ですから、がんばっていただきたいもんです。(個人的にはソニエリAndroidauから出たら、携帯を機種変しようと思ってます。出るかなぁ。)