SATOXのシテオク日記

~ふもっふ、ふもふも~

ハドソン川不時着の交信記録

ハドソン川不時着についての交信記録が公開されています。
過去のネタをご存じの方は知っているかと思いますが、SATOXさんはこういう有事の内容に大変興味あるんですよね。何故大事故が起きたか、そのときどう対応したか、その後どう対応したかとか。
この失敗知識データベース↓というサイトが結構面白いです。

■☆ JST失敗知識データベース ☆ 科学技術分野の 事故や 失敗の 知識と 教訓

■155人旅客機奇跡の不時着 - SATOXのシテオク日記

さて、乗客人を乗せたUSエアウェイズ機がハドソン川に不時着する前の交信内容を以下にまとめていました。サボテンという単語が出てきますが、USエアウェイズ機を表すコード名なんだそうな。また、管制官は慌てたためか、便名を間違えている所もあります。

離陸経過 発信者 交信内容
27分36秒 1549便 あー、こちら、えー、サボテン1539。
鳥が当たり、両エンジンの推進力を失った。
ラガーディアに引き返す。
27分42秒 管制官 OK。ラガーディアに戻る必要がある。
左旋回、機首を2−2−0に。
27分49秒 管制官 タワー(空港管制塔)、出発便を止めて。
緊急事態で戻る便がある。
28分05秒 管制官 サボテン1529、もし確保できたら、
1−3滑走路に着陸したいか?
28分11秒 1549便 できない。
最後には、ハドソン川に向かうことになるかもしれない。
28分36秒 管制官 OK。着陸に何が必要だ。
28分50秒 1549便 どの滑走路も、確信が持てない。
あ、右側のあれは何だ。
ニュージャージーの何かだ。テタボロ空港かもしれない。
28分55秒 管制官 OK。うん、そちらの右下にあるのはテタボロ空港だ。
29分05秒 管制官 テタボロ、ラガーディアの出発便が緊急事態で入ってくる。
29分10秒 テタボロ空港 OK。どうぞ。
29分21秒 管制官 サボテン1529、右旋回して。
テタボロの1番滑走路に着陸できる。
29分25秒 1549便 それはできない。
29分26秒 管制官 OK。テタボロのどの滑走路がいいか。
29分28秒 1549便 ハドソン川へ降りるつもりだ。
29分33秒 管制官 すまないが、もう一度言ってくれ、サボテン。
29分51秒 管制官 サボテン、えー、サボテン1549、レーダーから消えた。
30分14秒 管制官 サボテン1529、えー、まだいるか。



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この更新内容を見ると、かなり早い段階で川に不時着することをパイロットは予想していたみたいです。Tetarboro空港が右に見えている時点で左旋回し、La Guardia空港に引き返していたので、推力が落ちているこのときに右旋回してTetarboroに向っていたら悲惨な結末を迎えていたのかも知れません。両エンジンを失い加速ができない状況を伝えていますが、管制官はそこまでは想像していなかった事が窺い知れます。
パイロットの操縦ミスが原因で墜落する事故もあったくらいですから、このパイロットの冷静な判断は大変立派で称えなくてはいけないと思います。

【ニューヨーク=真鍋弘樹】「最後には、ハドソン川に」。USエアウェイズ機がニューヨークのハドソン川に不時着した事故で、米連邦航空局(FAA)は5日、操縦席と管制官らの交信内容を発表した。「ハドソン川の奇跡」をもたらした機長の冷静さと緊張感が、4分間足らずの音声記録からよみがえる。

バードストライクということで、この問題の根本的な解決策は無いんですよね……。