ついに長かったWinny裁判に判決が下されました。
いや、中々興味深い記事内容です。SATOXがあーだこーだというよりも、記事を読んでいただくのが懸命であります。
ファイル交換ソフト「Winny」を開発した金子勇被告が著作権違反の幇助に問われていた裁判で、検察側の論告求刑公判が去る7月3日に京都地裁で行われた。求刑は懲役1年。
略歴を以下に示してみます。
2002年4月 | 金子氏によりWinny開発開始。瞬く間に世間に広まる。 |
2003年秋 | 京都府警の網により、映画やゲームなどをアップロードしていた2人を特定。2人は逮捕され、有罪が確定。ちなみに任天堂とハドソンが提訴。 |
2003年秋 | 金子氏の自宅を家宅捜査。Winny自体は悪くないと判断していた捜査官に対し、「著作権を侵害する行為を蔓延させて、著作権を変えるのが目的だったんです」と発言。捜査官を困惑させる。 |
2006年3月 | 金子氏、ドリームボート社に協力。P2Pソフト「SkeedCast」を開発。 |
2006年12月 | 金子氏に対し、罰金150万円の有罪判決。罪内容は著作権違反幇助。 |
金子氏が2ちゃんねる上にて「著作権を侵害している事を理解している」というようにとれる発言を行っており、それがどうやら逮捕に踏み切った要因と言えそうです。
Winnyはソフト技術的に素晴らしい物ですが、例えば銃やナイフと同様に、正しく使えば全く問題ない代物なのですが、間違った使い方をすれば犯罪になってしまうわけです。
以下にこの記事の筆者、佐々木俊尚さんの文章を抜粋。
かけ離れた著作権の理想と現実
ふたたび私見を言えば、私は金子被告の「P2P技術が出てきたことで著作権などの従来の概念が既に崩れはじめている時代に突入している」という意見には全面的に同意する。また「将来的には今とは別の著作権の概念が必要になると思います。どうせ戻れないのなら押してしまってもいいかっなって」という発言についても、まったくもって同意見だ。
しかしそうした考え方は、現在の著作権法の理念とは著しくかけ離れているのも事実である。現行の著作権法と著作権を守る国内システムは、現在ある著作権概念を守る方向に動いているわけで、それを崩壊させたうえであらたな概念を作り出そうというベクトルはきわめて弱い。そうであれば、現行の著作権保護システムを崩壊させようという動きは、どうしても法違反へと向かわざるを得ない。
まぁ、違法か違法でないかは置いておいて、極端な話、著作権がなくなるということは、スーパーなんかで売られている物をタダで持ってくようなもの。持っていく人は嬉しいでしょうが、スーパーの人はたまったものではなく、そんなスーパーはやってられない。
映画やゲームなどのコンテンツを作って売る意味もなくなり、そもそもそれらを作る意味もなくなり衰退していくことになります。良い物をそれなりの対価を払って楽しむのはごく自然なことであり、金子氏の言い分は非生産的で間違っていると言わざるをえません。
一生懸命がんばって楽しませてくれる人を絶賛するのは当然だと思いますよね??