SATOXのシテオク日記

~ふもっふ、ふもふも~

出来すぎてるテレビ番組

NHKがまたやっちゃいました。
ドキュメンタリー番組「プロジェクトX」にて、一部放送内容が事実無根の大げさな内容に誇張されて編集されていたとの事。
NHKの決して多くない人気番組名だけに、やっちゃいました感がひとしおです。

問題になっているのは、5月10日放送の「ファイト! 町工場に捧(ささ)げる日本一の歌」。1979年に同校に赴任した新人教師が、部員を集めて合唱部を作り、87年に全国コンクールで金賞を取るまでの奮闘ぶりを描いた。
 放送後、同校にはOBらを中心に「そこまで荒れていた事実はない」との指摘が複数寄せられた。関係者によると、「かなりの数のOBが、『事実と違う』と問題視している」という。同校が初出場した当時の合唱コンクールの複数の関係者は「パトカーは来ていない」と話している。

先日、山本太郎アメリカでデコトラに乗ってなんだかんだ〜というドキュメント風の番組が放映されており、たまたま観たんですな。そこであまりにもフィクション的な出来事があり、しばし呆けてしまいました。
トラックといえば漁港とか言って、サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフにたまたま入ると、水揚げしたばかりのカニとおじさんが。
おじさん曰く、「友達のトラックを待ってるんだけど、いくら待っても来ない。このままじゃカニが死んじゃうよ。」
山本太郎「じゃあ、デコトラで運んであげるよ!」
………。
実際、テレビを観てるとこういったフィクションがよくありますよね。問題なのは「フィクションでした」と言わない点だ。うっかりしてると、視聴者は「いい話〜」として流してしまう。実際、そんなハプニングなんてなかなか起きないよね。



こないだ、クイックジャパン水曜どうでしょう記事を見たけど、かの番組の「自然さ」は他に類を見ないです。
とあるホテルでタレント(大泉洋)が飯を食うシーンを撮っていた。「これうまいよ」とカメラに向かってしゃべるタレント。ホントにうまいのか疑問に思ったカメラ兼ディレクター(藤村忠寿)は「ホントにうまいか食わしてくれ!」とカメラの横から手を伸ばす。
「あ、うめぇ」
このヒゲのディレクターはこの出来事について、「テレビの前の視聴者の代わり」なんだと記事に書いていた。なるほど〜と思ったけど、本当はそのとき「ただ食べたかっただけ」とも付け加えた。そこにいるスタッフが参加しちゃう番組。スタッフの存在感があるそんな番組。他のキー局の番組ではあり得ないですよね。でも、そこにはスタッフが存在してるんです。


クイック・ジャパン (Vol.52)
Book
2004/01
太田出版
−−−雪山の頂上にタレントが必至の思いでたどり着いた。よくやった、がんばった。でもそこにはディレクターもいればカメラマンもいる。がんばったのは本当はタレントだけじゃないんです。
よもや、重い機材を抱えたスタッフの方が大変だったはず。いや、もしかしたらタレントも重い機材を分担して持っていたのかもしれない。けど、カメラの前では重い機材を運んでいるタレントは映らんわけです。これはまぁしょうがないかもしれないけど、厳密には「ウソ」ですよね。

そりゃね、絶対にフィクションはダメとは言わないさ。でも、やりすぎたフィクションは視聴者を半ばバカにしているわけで、制作者側は視聴者がダマされて魅入っていることを嘲笑っているんだと思った方が健全かも。
今回のプロジェクトXだって、制作者側の気持ちは分かりますよ。だって荒れに荒れたどうしようもない学校だった方が盛り上がるもん。