ARMのGPUコア「Mali」が現時点で最強?
SATOXさん、ちょっと不勉強でした。
先日、NVIDIAのDenverやARM周りのネタを書きましたが、ARMが独自のGPUコア技術を持ってたのを忘れていました。
そう、Galaxy S IIのGPUがなんとなく気になっていたものの、サムスンの独自コアかなんかだと勝手に思っていましたが、なんとARMの統合コアが使われているんだそうです。ARM曰く、NVIDIA Tegra2を上回る性能であるとのことです。
GPUコアの名前は「Mali」。
以下、OpenGLのベンチマークソフト「GLBenchmark2」で計測したパフォーマンススコアだそうです。
CPU/GPU | Device name | Top | Ave. | Medium | Screen Size |
---|---|---|---|---|---|
Mali-400MP | Samsung Galaxy S II | 5997 | 4823 | 4737 | 800x480 |
NVIDIA Tegra2 | Dell Streak 7 | 3766 | 3398 | 3526 | 800x480 |
OMAP4 | LG Optimus 3D | 3525 | 3375 | 3375 | 800x480 |
IMG SGX540 | Google Nexus S | 3025 | 2766 | 2790 | 800x480 |
Mali-400MPはCPUはCortex-A9のデュアルコア、GPUはクアッドコアなんだそうです。Galaxy S IIってタブレットなんかで使われているTegra2よりもパフォーマンスは良いんですね。
さらに、今年中に「Mali-T604」を発表するそうです。
これにはユニファイドシェーダが利用できてOpenCL 1.1、DirectCompute、RenderScriptに対応、APIとしてはOpenGL ES 2.0、次世代OpenGL ES、DirectX 11にも対応出来るとのこと。
もうまさしくWindows8にぴったりのSOCです。
当然この技術はIPとして各企業にライセンスすることになると思えば、NVIDIAなどにとっては完全にコンペティターになりそうで、一番の驚異かもしれません。
Mali-400MPを搭載したGalaxy S IIの性能をアピールするスライド。ちなみにMaliというGPU IPはもともと,ノルウェーのFalanx Microsystemsが開発していたもの。2006年にARMが同社を買収したことにより,MaliもARMのIPとなった
この記事でも触れていますが、Maliはメモリ帯域をあまり使わないアーキテクチャとなっており、デスクトップ向けなど大きなデータセットを扱う場合、NVIDIAと比べスループットが出にくい仕様になっている事は間違いないようです。
タイルベースドレンダリングも非常に賢いアーキテクチャですが、各ステージを効率的に動かすためには工夫が必要でなかなかパフォーマンスを出しにくいものだと個人的には思います。PS VitaなんかもSGXなんですよね……。