Cellの概要発表
Cellの概要がサンフランシスコ・国際固体素子回路会議(ISSCC)で発表されました。
予想通りだったのはPowerPC系のマルチコアであること。予想外だったのは計9個ものコア(コア+処理コア8個)を持つということ。
Xbox2/Xenonの場合は同じくPowerPC系で独立した3つのコアに2スレッド(計6スレッド)で1MBのキャッシュを共有できるのだが、Cellはマルチコアであるものの、その構造は大きく異なっているようです。
Cellのプロトタイプは、64ビットPowerPCプロセッサコア1基と、「Synergistic Processing Unit(SPU)」と呼ばれる8基の処理コアで構成される。
ちなみに、この構造は最近のGPUの構造そのもの。いわゆる「n本のパイプライン」といっているものが
サブコアに当たるわけです。
■9つのコアで256GFlops超の演算性能 (MYCOM PC WEB)
以下に主要な項目を挙げてみる。PS1の頃から、ソニー/SCEのハードの基本コンセプトは「技術の進歩はめざましいもので、すぐにゲームプラットフォームは退化する。だから我々はそのとき可能な限り最先端の技術を使う」というもの。
・4.5GHz近辺、もしくはそれ以上のクロック
実際にはもう少し落ちるんじゃないかなぁ。
・消費電力は30ワット前後
ちなみにPentium4は100ワットそこら。
・64ビットPowerPCコア1つと8個の処理コア
Xbox2は3つのコアに2スレッド
・処理コア1つにつき、256KBのキャッシュ
・PowerPCコアは32KBのL1キャッシュと512KBのL2キャッシュ
Xbox2は共有1MB L1キャッシュ
・メモリバス、XDRは3.2GHz駆動
・I/Oバス、FlexIOは6.4GHz駆動
それぞれ、Rambus社からのライセンス供与
今回のCellも最先端の技術と言うにふさわしいものだと思います。さらに、プログラミングの難しいPS2に比べ、Cellのプログラミングは圧倒的に簡単だということ。多くのゲームプログラマがPS3に挑むことになると思うのですが、この辺り、安心していいかもしれませんネ。それにしてもEE-IOP間のプロセス間通信がなくなるだけでもうれしいですね。
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先の日記でCellはMIPS系か……ととぼけたことを言ってましたが、ソニーとIBMが手を組んでMIPS系のCPUを造るわけがないですね(笑)。PowerPCは面白い命令がたくさんあるので、最適化を行うには楽しそうなCPUです。メモリだけはたくさん積んで欲しいんですが、XDRってコスト高そう(笑)あと、PS3はネット常時接続が当たり前だと予想(IPv6?)。ビデオオンデマンドやメディアホストなど、家電の中心的な役割をねらってくるのではないかと思います。ブルーレイビデオとかもね。
Xbox2はハードディスクが搭載されないことが濃厚ですが、PS3はハードディスクが必須じゃないかなぁ……。そのとき、コストが問題ですが、きっと廉価版があるんだ(笑)。それと、任天堂の据え置きマシンがどう出てくるかが見物。たぶん普通じゃないな(笑)。