SATOXのシテオク日記

~ふもっふ、ふもふも~

ブラックボックスは電気ウナギの夢を見るか

………というわけで、ブラックボックスのお話。
SATOXはゲーム関連のプログラマなんてのを生業(なりわい)にしてますが、いわゆるプログラマがいう「ブラックボックス」というのは、どこか別の誰かが作ったソースが公開されていないプログラムライブラリであったりします。ソースコードが提供されていなかったりすると「ライブラリの中でどんな動きをしているのか分からない」という状況だったりして、こんな状況をブラックボックスと言ったりします。
つまり、中身がよく分からないものの事を言うわけですね。
一方、ブラックボックスにはもう一つ意味があります。
そう、航空機のフライトレコーダやコクピットボイスレコーダを指し示す言葉。
今回はこの航空機のブラックボックスのお話なのであります。

ブラックボックスとは
Wikiさんによると、最低でも過去400時間の高度や速度、エンジン回転数、G、パイロットの更新記録ができるんだそうで、さらに墜落に伴う衝撃や火災や耐水などに優れているんだそうです。
海などに水没した際もブラックボックスを発見できるよう、音響発信器が備え付けられているモノもあるそうな。
至極当たり前のことですが、「墜落」なんてして欲しくないですよね。でも、もし自分が乗っている飛行機が墜落して死んでしまったとしたら、できるだけ発見してもらい、事故の原因なりなんなりを調べて欲しいと思うわけです。
出来れば役に立つことがないままであって欲しいなんだか残念な装置ですが、なくてはならない装置だと思う次第です。
さて、今回何故急にブラックボックスのお話をしたかというと、こんなニュースがありました。

国防省の発表によると、デビッド・ウォレンさん(航空機の飛行記録などを保存する「ブラックボックス」を発明したオーストラリアの航空学研究者)が19日、豪州のメルボルンで死去した。85歳。

ブラックボックスを発明した研究者が亡くなってしまったそうです。
実はこの研究者は親を航空事故で亡くしまったんだそうで、事故の原因をなんとかして調べたいという熱意がこの発明に結びついたのではないかと思います。

JAL123便
航空事故でSATOX的に大変印象深いのはJAL123便が群馬県御巣鷹山付近に墜落した事故。
離陸間もなく垂直尾翼が吹き飛び、コントロール不能なまま迷走したあげく墜落。524名中520名が亡くなった壮絶な事故でした。
パイロット2名がなんとか不時着しようとコントロールの効かない機体を最後まで操作している記録がボイスレコーダーに残されています。

JAL123便、墜落までの軌跡 - SATOXのシテオク日記

こんな文章を書いていてもなんだか涙が出てきそうになっていたりしてるのですが、このようなブラックボックスによってこのような記録が残されている意味はとても大きく、感慨深いものだと思います。
ユナイテッド航空232便不時着事故というのがあるのですが、この123便を教訓としていた232便機長は乗客の半数が無くなってしまったものの同様のトラブルから帰還を果たしています。

二度とこのような事故が起きないと良いですね……。