放射性廃棄物の無害化研究

三菱重工業放射性物質であるセシウムなどの元素を他の元素に変換する実験を成功させ、実用化に向けているそうです。(放射性元素の「セシウム137」は非放射性元素の「ユーロピウム」に変換)
そもそも元素変換は1億度の高温や高圧などの高エネルギーを加えることで可能ですが、大量の無害化処理を行うことには向いておらず、実用化可能な技術が必要だったわけです。

三菱重工業重水素を使い、少ないエネルギーで元素の種類を変える元素変換の基盤技術を確立した。原子炉や大がかりな加速器を使わずに、例えばセシウムは元素番号が4つ多いプラセオジウムに変わることなどを実験で確認した。将来の実証装置設置に向け、実用化研究に入る。

具体的な方法は以下の通り。理屈は分かりませんが、理論的なメカニズムは研究者も解き明かしていないそうです。

具体的には厚さが数十ナノ(ナノは10億分の1)と極めて薄い金属のパラジウム酸化カルシウムの薄膜を交互に積層した多層膜に変換したい金属を付ける。この膜に重水素を透過させると百数十時間で元素番号がそれぞれ2から4、6多い元素に変わった。 セシウムはプラセオジウムに、ストロンチウムモリブデン、カルシウムはチタン、タングステンは白金に変わることを確認した。特殊な薄膜に重水素を透過させる独自技術は日本での特許に続き2013年、欧州でも特許を取得した。

まだ、放射性物質の実験は行っていないそうですが、実用化の向け大量に変換するため、金属膜をハニカム構造にするなど面積を増やすための研究を行っていくそうです。
この記事で語られているのは、このような今求められている重要な研究なのですが、三菱重工の中で細々と研究されてきたものなんだそうです。もっと以前からこの研究に投資をしていれば現在実用段階にあったかも知れなかったこと、そしてこの分野の研究は世界で競争が激しいとのことが書かれています。
三菱重工として、日本として、一刻も早くこの研究を評価して力を入れていかないといけないなぁと思います。